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モダン・ヴァイオリン
一番知られているのはこのタイプですから、ここからお話を始めるのが一番簡単でしょう。 モダン・ヴァイオリンすなわち20世紀のヴァイオリンは、以下のような特徴を持っています。 つまり、ネック(棹)、指板、駒、テール・ピースなど、また楽器内部のバス・バー、ブロック、 ライニング(訳注:周辺部補強のための部品)などのパーツが大体規格的な寸法でできていることです。ネックは常に胴体にほぞを切って後ろへ傾くようにつけられ、 そのものは真っ直ぐです。高いポジションへ容易に行けるようにするため、ネックの根元から先までのスペースが一番広くなるように作られています(訳注:指板下側、親指で触れる面のこと。 図参照)。指板は常に黒檀で、その断面のアーチの形状は常に一定です。低い方の弦は金属を巻いたガットやペルロン、ナイロンなどであり、 スチールのe線は第1次と第2次大戦のあいだ頃にようやく一般的になってきました。 駒は変わることなく常に、f字孔の切り込みの間に置かれおり、各弦の反応は均等です。 *図はモダン・ヴァイオリン。ネックは最大限の長さを持ち、後ろへ傾いている。 |
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バロック・ヴァイオリン
16-18世紀のヴァイオリンには、どの部分にも標準の規格というものがありませんでした。 指板の長さ、駒の位置やデザインなどは、その地方のピッチや奏者の技量に依っていたのです。 指板が黒檀の一枚板で作られることは決してなく、バロック・ヴァイオリンの多くは、 その内部にブロックやライニングを(周辺部補強のための部品)を持っていませんでした。 バス・バーのように重要な部品でさえ、16-17世紀のヴァイオリンにはしばしばありませんでした。 世紀の変わり目あたりからバス・バーが使われ始めたと仮定されていますが、 どこで、また誰によってということを明言するのは困難です。 ネックには細いものも太いものもあり、普通楽器の胴体から真っ直ぐなライン上に、 内部のブロックがあれば釘でそれに止められ、あるいはただ表板と裏板の間ににかわで固定されていました。 駒には想像できる限りのデザインがあり、指板にしたがってかなり平らでした。 およそ1750年頃まで、ヴァイオリンのすべての弦は『裸』ガットで、 チェロやベースの最低弦には17世紀の終わり頃から巻き線が導入されました。このような弦の反応は一様ではありません。最上弦がもっとも演奏しやすく、ゆえに17世紀の音楽の殆どはそれのために書かれているのです。 作曲家が低い弦のために書いたときは、特別な響きの効果を意味していました。 それは実際よりもずっと低く感じられ、忘れられない、実に効果的なものなのです! バロック初期に拡張されたヴァイオリン・テクニックは、楽器を胸よりは肩で支えることを決定付けました。 その姿勢が左手の自由を最大限に引き出せるからです。 結果的として、ネックの設計と駒の場所が影響を受けることになりました。 肩で支える楽器は、ネックが細く駒の位置が高い(現代の位置)方が扱いやすいのです。 しかし研究では、両タイプの姿勢とそれに従ったセットアップをバロック時代に見ることができます。 *図は典型的バロック・ヴァイオリンの一つ。駒はf字孔の刻み目以外の場所にあり得、ネックは太く楽器から真っ直ぐに付けられる。 |
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クラシカル・ヴァイオリン
クラシカル時代のヴァイオリンは、いうまでもなくバロックの前身のなかから現れてきます。 18世紀末頃になると大抵のヴァイオリンはブロックとライニングを持ち、 横板が裏板にほぞを切って入れられることもなくなり、 バス・バーもありました。 バロックの衰退から初期クラシックの時期の音楽美学的要求は、 ヴァイオリンを肩の上で支えることを確かなものとしましたが、 いくらかの『村のヴァイオリン弾き』たちがなお、胸に当てて弾いていたかもしれません。 一般的に、クラシカル楽器のネックはバロックのそれよりも細く、付け根の部分(訳注:楽器に接着している部分)も小さくなっています。このようなネックは左手をもっと自由にしました。これは、武骨でカーヴの短いバロックのものとも、モダンのネックとも同じぐらい異なっています。クラシックのネックはモダンのものよりはがっしりとしているのです。これは、モダンのネックよりも、スタイルに合った古い左手のテクニックを用いるのに適しているのです。 ヴァイオリンのネックは、もともと現在のように後ろに傾いてはいませんでした。傾斜の習慣は18世紀の末に、北ヨーロッパの国々、フランスやドイツで始められました。しかしながら、1772年の遅きにいたってA.バガテッラ(Bagatella)が著したヴァイオリン製作についての知られている最初の書物では、ネックは(訳注:楽器に対して)真っ直ぐにセットされるべきだといっています。 より高くなった弦の張力のためにネックの傾斜は作られたというのが、一般的に信じられ支持されてきた意見の一つです。しかしながら、弦の歴史の研究は、ネックの根元をより細くしたいために傾斜が導入されてきたことを示しています。 *図はクラシカル・ヴァイオリンのあり得る一つのタイプ。ネックはしばしば、しかし僅かに後ろへ傾けられ、バロックのものよりは細く作られる。 |
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