現代美術ギャラリー/現代美術センター(水戸芸術館美術部門)
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スクリーン・メモリーズ
2002年 4月13日(土)〜 6月 9日(日)
「アートとは、現実の反映ではなく、その反映の現実性なのである」(J.L. ゴダール)
「スクリーン・メモリーズ」は、現代美術と映画の親密な関係性や相互の影響のあり方に焦点をあて、「美術」と「映画」のジャンルを越えた新たな表現における創造性を浮き彫りにする展覧会です。
近年、美術のジャンルでは、映像作品を発表するアーティストが激増し、映像メディアが美術のジャンルにも深くかかわるようになってきました。
音や時間を組み入れることができる映像メディアの多元性は、より多様な表現を可能にする現代の絵筆ともいえるでしょう。
また様々なイメージを喚起させる映像表現は、絵画や写真作品にも影響を及ぼしています。
閉ざされた文脈の中で完結していた美術は、いまや社会的な現実を映し出す鏡(=イメージ)へと変容しつつあります。
一方、映画は現代の巨大な意識産業の一翼をますます担いつつあります。
こうした状況のもと、美術と映画は必然的に連関し、イメージの虚構と現実が融合した多義的なイメージを作り出しています。
ゴダールの逆説的な言葉に象徴されるように、現代のイリュージョンとリアルなものの境界線が曖昧になってきている現実を踏まえなければ、私たちの「リアル・ライフ」を描写し、語ることは難しいといえるでしょう。
本展では、映像が現代社会の中で、記憶、歴史、政治、経済、言語、日常生活などにいかに影響を及ぼし、様々な規範の転換を促しているかを示そうとするものです。
*スクリーン・メモリー
スクリーン・メモリーという言葉は、フロイトの精神医学用語で「隠蔽記憶」と翻訳されています。
本来、映画の「スクリーン」も「銀幕」と「遮蔽幕」という複数の意味を伴った言葉に翻訳することができます。
精神医学的文脈において幼児期体験というものは、様々な抑圧によって想起困難になっていますが、その代わりしばしばその些細な断片的な記憶が保たれていることがあります。
多くの場合、差異はあるもののそれぞれの個人的体験における幼児期の断片的記憶は、その時期の実際の記憶ではなく、別の経験の記憶であって、しかも一見無意味なものにみえますが、このような記憶のことを「隠蔽記憶」と呼んでいます。
展覧会概要
展覧会名:スクリーン・メモリーズ
欧文表記:SCREEN MEMORIES
会期:2002年 4月13日(土)〜 6月 9日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
開館時間:9:30〜18:00(入場は17:30まで)
*ご入場いただけます時間が17:30までと、変更になりました。どうぞご注意ください。
休館日:月曜日 *但し、4月29日・5月6日(月・祝)は開館、4月30日・5月7日(火)は休館
入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円、中学生以下・65歳以上・心身障害者の方は無料
一年間有効パス:H.T.P.(対象15歳以上20歳未満 1,000円)、おとなのパス(対象20歳以上 2,000円)
チケット発売:JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ、水戸芸術館チケットカウンター
*「おとなのパス」は水戸芸術館チケットカウンターでのみの発売となります。
ゲスト・キュレーター:飯田高誉
主催:財団法人水戸市芸術振興財団
後援:ブリティッシュ・カウンシル
http://www.uknow.or.jp/
フランス大使館
http://www.ambafrance-jp.org/
アメリカ大使館
http://usembassy.state.gov/tokyo/
助成:国際交流基金
http://www.jpf.go.jp/j/
協賛:アサヒビール株式会社
http://www.asahibeer.co.jp/
協力:株式会社創夢
http://www.soum.co.jp/
株式会社竹尾
http://www.takeo.co.jp/
NPO法人水戸映画祭実行委員会シネマパンチ
http://www.cinemapunch.com/
出品作家・出品作品・作家略歴
ダグ・エイケン Doug Aitken(1968年アメリカ生まれ)
"Into the Sun" 1999、映像作品7分
現在、ロサンジェルスを活動の拠点とし、97年にホイットニー・バイエニアルに選ばれ、99年ヴェネツィア・ビエンナーレで国際賞を受賞するなど活躍がめざましい。
ミュージック・ビデオのプロデューサーであった彼は、映像と音楽をクリエイティブな編集によって風景や人間の「重層的記憶」を浮かび上がらせる。
ケネス・アンガー Kenneth Anger(1930年アメリカ生まれ)
1996、写真4点
ハリウッド映画界に光と闇があるとするならば、アンガーは闇を代表する神話的な映画監督である。
彼の代表作「マジック・ランタン・サイクル」という9編を収めたオムニバス映画は、今でも若いファンを惹きつけている。
また、最近ではフランス国立写真美術館でのグループ展(2000年)で、彼の写真作品が出品され展覧会のバックボーンとなった。
キャンディス・ブレイツ Candice Breitz(1972年南アフリカ共和国生まれ)
"Soliloquy Trilogy --Clint, Jack, Sharon" 2000、映像作品28分14秒50
コロンビア大学ドクター・コースにて美術史を学び、ニュー・ミュージアムのリニューアル・プログラム(2000年)で個展を開催するなどしばらくニューヨークを拠点にして活動していたが、ベルリンに活動拠点を移す。
イコンと化したマドンナやカーペンターズなどのポップ・スターをサンプリングした映像作品で話題を集める。
トマス・デマンド Thomas Demand(1964年ドイツ生まれ)
"Archive" 1995、写真1点
ベルリンとロンドンを拠点にして活動している。実際の歴史的な事件現場やオフィスなどをそれら実際の写真をベースにして、厚紙や紙で現場を作り上げ撮影して作品化している。
現実やフェイクにおける真実とは何なのかという疑問を発すると同時に、我々の消費文化におけるリアリティの所在を問うものである。
ケリス・ウィン・エヴァンス Cerith Wyn Evans(1958年イギリス生まれ)
"Later that day" 2001、ネオン
"Meanwhile... across town" 2001、ネオン
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、映画監督デレク・ジャーマンのアシスタントとして映画作家としてのキャリアをスタートさせる。
90年代には、「時間」「言語」「感覚」を扱ったインスタレーションをつくりはじめ、ベネチア・ビエンナーレやロイヤル・アカデミーでの「センセーション」展に出品し高い評価を得た。
ドミニク・ゴンザレス=フォルステル Dominique Gonzalez=Foerster(1965年フランス生まれ)
"ANN LEE in ANZEN ZONE" 2000、映像作品3分25秒
パリを活動の拠点として、サーペンタイン・ギャラリーやパリ市立近代美術館、ニューヨークP.S.1などの国際的な美術館でのグループ展や個展が相次いで開催されている。
消費構造に根差した社会と家庭におけるメディア環境は同一化しつつあることに着目しパースペクティブのない「日常性の記憶の多様性」を浮かび上がらせる。
池田謙 Ken Ikeda(1964年東京生まれ)
"Behind the Scenes #2" 2001
"Untitled" 2002
"1:1.37" 2002
バークリー音楽院にて作曲を学び、東京とニューヨークを拠点にして活動している。
「欲望の砂漠」展(1994年スパイラル)にてビデオ作品を発表し、一方、デヴィッド・リンチ、杉本博司らとコラボレーション・ワークを制作する。
2002年1月BBC アンダーグランド部門で彼の音楽アルバムが2位にチャートされた。
アイザック・ジュリアン Isaac Julien(1960年イギリス生まれ)
"VAGABONDIA" 2000、映像作品12分21秒
セント・マーティン美術学校でファイン・アート・フィルムを専攻し、ロンドンを活動の拠点として美術界と映画界の両方で活躍している。
ロンドン・フィルム・フェスティバルではいつも彼の美意識に根差した作品が話題になり、2001年ターナー賞の有力な候補の一人としてノミネートされた。
ウィリアム・ケントリッジ Willaiam Kentridge(1955年南アフリカ共和国生まれ)
"felix in exile: geography of memory (extract)" 1994、映像作品8分43秒
ヨハネスブルグを活動の拠点として、南アフリカのアパルトヘイト政策を題材にすることによって人間や土地の記憶、暴力、不条理などを浮き彫りにしていく。
表現方法は線描画をフィルムに収めて、かつてなかったアニメーション表現を創出した。
ドクメンタ、横浜トリエンナーレなどの国際展でも注目を集めた。
ハーモニー・コリン Harmony Korine(1974年アメリカ生まれ)
"Diary of Anne Frank part 2" 1997、映像作品30分
18歳から21歳まで5000本もの映画を見ていた彼は、ラリー・クラーク監督の「キッズ」(95年)の脚本を担当し、映画「ガンモ」(97年)では監督デビューしヴェルナー・ヘルツォークの大絶賛を受ける。続けて映画「ジュリアン」を監督した。
一方ではニューヨークやロサンゼルス、パリで彼のアートワークを美術館やギャラリーで展覧するなど彼の多才な面を発揮している。
コリエール・ショア Collier Schorr(1963年アメリカ生まれ)
"Die Zwei (Spring Break)" 写真5点
ニューヨークを拠点にして活動している。パリ市立近代美術館など国際的な美術館やギャラリーで写真作品を発表している。
テーマは、男女のセクシュアリティを転倒させながら社会やプライベートにおけるジェンダーの新たな意味を問い直し、しなやかなジェンダー空間を探究している。
イギリスの美術雑誌フリーズのコントリビューティング・エディターを務めている。
杉本博司 Hiroshi Sugimoto(1948年東京生まれ)
"劇場シリーズ" 1976〜1995、写真14点 (東京都写真美術館蔵)ニューヨークを拠点にして活動している。
自然史博物館の生物や風景のジオラマやマダム・タッソー蝋人形館に展示されている王家の人々、映画の上映時間中シャッターを開け続け光と化したスクリーンと劇場風景などを被写体にして写真作品を発表している。
メトロポリタン美術館など国際的な美術館での展覧会が多く開催されている。
田中功起 Koki Tanaka(1975年栃木県生まれ)
"Perfect Life" 2001
"Just on Time" 2002
東京を拠点にして、作家活動を開始。小津などの映画作品にインスピレーションを得て、映像作品やインスタレーション・ワークを制作することによって、イメージの消費と消費することが不可能なファンタズムの対比を自ずと浮かび上がらせている。
日本のユースカルチャーに馴化していない期待の新人。
ジョン・ウォータース John Waters(1946年アメリカ生まれ)
"grace kelly's elbows" 1998、写真
"swedish film" 2000、写真
"straight to video" 2000、写真
"bus riley" 2000、写真 計4点
映画「ピンクフラミンゴ」、「ポリエステル」、「シリアルママ」などモンドムービーの帝王。
アーティストとしての活動は、日本で初めて紹介された「アイデアル・スタンダード・ライフ展」(96年スパイラル、東京)や第4回リヨン・ビエンナーレ(97年)に写真作品を出品し評価を高めた。
アート・コンテキストの中で彼の活動の幅が広がりはじめている。
ジェーン&ルイーズ・ウィルソン Jane & Louise Wilson(1967年イギリス生まれ)
"CRAWL SPACE" 1995、DVD 9分
一卵性双生児の姉妹によるユニットでロンドンを拠点に活動している。
サーペンタイン・ギャラリーで個展(99年)を開催し、1999年のターナー賞の候補となり一躍注目を集める。
同年カーネギーインターナショナルに出品。ホラー・ムービーのテクニックを駆使しながら人間のマジカルな潜在意識を顕在化させる。
横尾忠則 Tadanori Yokoo(1936年兵庫県生まれ)
新作2002、絵画ほか
横尾忠則自身がすでにイコン的存在である、希有なアーティストと言える。
60年代の政治、文化の激動の時代を駆け抜けながら、日本的風土の情動的感覚とモダニズム思想を融合したグラフィックが国際的な評価を得る。
当時、三島由紀夫との親密な交流は有名。
大規模な個展がこれから目白押しで、新作を次から次ぎへ生み出している。
関連企画
シンポジウム「映画は芸術なのか」
日時:2002年 5月19日(日)
会場:水戸芸術館 ACM劇場(約400席)
主催:NPO法人水戸映画祭実行委員会シネマパンチ
http://www.cinemapunch.com/
企画:伊藤和宏(NPO法人水戸映画祭実行委員会シネマパンチ代表)
各回有料(各プログラム入替制)予定
おとなのパス
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| © Hiroko Ichihara
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