現代美術ギャラリー/現代美術センター(水戸芸術館美術部門)
webstaff@arttowermito.or.jp
ジェフ・ウォール展
展覧会主旨
このたび、水戸芸術館現代美術ギャラリーでは「ジェフ・ウォール展」を開催いたします。
「ものまね」 1982
(トロント、イデッサ・ヘンデルス
芸術財団蔵)
|
本企画は、ロサンゼルス現代美術館との協力により実現した国際巡回展として、
ハーシュホン美術館(ワシントンDC)、
ロサンゼルス現代美術館を巡回した後、日本では水戸芸術館でのみ開催される本格的な個展です。
カナダ出身のアーティスト、ジェフ・ウォールの作品は、日本ではこの2年ほどの間に、
横浜美術館や
世田谷美術館、京都国立近代美術館でのグループ展で2-3点紹介されておりますが、本展は、世界の主要な美術館や個人のコレクションからの作品も含めて、20年間のジェフ・ウォールの軌跡を一堂に展覧する大規模な回顧展です。
本展では『荒らされた部屋』から新作のモノクロ作品までの30作品(39点)を展示し、「私たち自身の生きている社会、そして私たちの現在と未来」をみつめる彼の透徹した視点を提示しようとするものです。
ウォールの作品は、俳優を使った映画製作並のロケハンと、コンピューターによる綿密な画面構成によって作り出されます。昔の画家が大画面の歴史画や風景画、風俗画を構成し描いたのと同様に、ウォールは美術史の知識と写真技術を駆使しながら「現代」を描きだしているといえます。例えば、葛飾北斎に影響をうけた彼は、富嶽三十六景の『駿州江尻』を模して現代に置き換えた『突風』という作品を1993年に制作しています。
映画のワンシーンや日常生活の時間を一瞬凍結したような彼の作品から、人々は想像力をかき立てられ自分なりの物語を思い浮かべることができるのです。
ジェフ・ウォールは1978年、地下鉄の広告にも似たライトボックスとカラー写真(カラートランスパレンシー)という素材を得て、広告の持つ訴求力を作品の中に取り入れ、インパクトの強い初めての作品、『荒らされた部屋』を発表しました。アーティストによって舞台セットのように念入りに構成されたこの作品は、個人の部屋が何者かによって荒らされ、破壊された様を再現しています。
ブリティッシュ・コロンビア大学で学んだ後、ロンドンのコートールド美術研究所で美術史を修めたウォールは、ゴヤやマネのように、画家自身が生きている時代を描き出していながら、強烈な印象を与えることのできる作品を作るにはどうすべきか、私たちが生きている現代社会にとって意味のある作品とはなにか、を問い続けていました。蛍光灯を仕込んだライトボックスと写真を組み合わせるという発想はそうしたウォールに答えを与えるものでした。
ジェフ・ウォールは、「絵画、映画、写真、広告のいずれでもないのに、そのすべてと結びついている」新たな表現方法を手中に収めたといえます。以来、ウォールは、自らが生まれ育ったバンクーバーの風景や町中での生活、そしてストレスの多い現代人の心理的葛藤など、私たちが生きている社会を映し出す鏡としての作品を作り続け、新しい現代の語り部として国際的にも高い評価を受けています。
「突風(北斎にならって)」 1993
(ロンドン、テイト・ギャラリー蔵)
|
本展出品作品には、代表作『荒らされた部屋』(1978年、カナダ国立美術館蔵、オタワ)、『婦人と医者』(1980-81年、個人蔵)、『語り部』(1986年、フランクフルト近代美術館蔵)、『戦死した部隊の語らい』(1991-2年、個人蔵)、『突風(北斎にならって)』(1993年、テイト・ギャラリー蔵、ロンドン)が含まれています。
1978年の初期作品から最新作のモノクロ作品まで、風景、路上での出来事、ファンタジー、現代人の心理的もつれなど、ジェフ・ウォールが表現してきた世界を御堪能ください。
企画概要
展覧会名:ジェフ・ウォール展
会期: 1997年12月13日(土)から1998年3月22日(日)まで
休館日:月曜日、年末年始(12月29日から1月3日まで)
会場: 水戸芸術館現代美術ギャラリー
主催: 水戸芸術館現代美術センター、
ロサンゼルス現代美術館
後援: 駐日カナダ大使館
助成:
カナダ政府
協賛:
日本航空株式会社、
株式会社資生堂
協力:
株式会社竹尾、
株式会社創夢
入場料金:一般800円、団体・前売り600円、
H.T.P.(ハイティーンパス)1,000円(15歳
以上20歳未満対象の1年間有効のパス)
中学生以下・65歳以上、心身障害者の方は入場無料
チケット取り扱い:
JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ、水戸芸術館チケットカウンター
チケットセゾン、チケットぴあ
国際展
企画:ケリー・ブロウアー(オックスフォード近代美術館館長、元ロサンゼルス現代美術館キュレーター)
協賛:ラナン財団、ナショナル・エンドウメント・フォア・ジ・アーツ、カナダ外務省
協力:ロサンゼルスカナダ総領事館、カナダ航空
日程
1997年2月19日ー5月11日
ハーシュホーン美術館(スミソニアン研究所、ワシントンDC)
1997年7月13日ー10月5日
ロサンゼルス現代美術館
1997年12月13日ー1998年3月22日 水戸芸術館現代美術センター
記念講演会
日時:1997年12月14日(日)14:00から
会場:水戸芸術館会議場
講師:ジェフ・ウォール「なぜ、私の作品には富士山がないのか」
定員:80名(先着順)
料金:500円(当日、水戸芸術館チケットカウンターにて、展覧会チケ
ットとは別途お求め下さい)
ジェフ・ウォール・プロフィール
1946年 カナダのバンクーバーに生まれる。
1970年 バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学、芸術学部修士課程修了。
1970-73年 ロンドン大学のコートールド美術研究所で学ぶ。
1976-87年 バンクーバーのサイモン・フレーザー大学、アートセンター準教授を務める。
1978年 ノヴァギャラリー(バンクーバー)で、カラー写真を大型のライトボックス
に取り付けた初めての作品、『破壊された部屋』を発表。以後、世界の主要
な美術館、ギャラリーで個展、グループ展を多数開催。
1989年 アメリカのアーティスト、ダン・グラハムとの共同プロジェクトで、子供パ
ビリオンのための作品を制作。
1996年 90年代の作品に焦点をあてたヨーロッパ巡回の個展が組織され、ジュドポー
ム美術館(パリ)、ホワイトチャペル美術館(ロンドン)等に巡回。
1997年 カッセルのドクメンタでモノクロの作品を初めて発表。アメリカ・日本巡回
展として大規模な回顧展が、ワシントンDC、ロサンゼルス、水戸で開催され
る。現在、ブリティッシュコロンビア大学芸術学部準教授。
バンクーバー在住。
クリテリオム '97
クリテリオムとは「基準」を意味するラテン語。意欲的な表現を試みる作家と、
現代美術センターのキュレーターが共同で、新しい表現の可能性を提案するシ
リーズです。
会場:現代美術ギャラリー第9室
入場料:32〜34とも、それぞれジェフ・ウォール展入場料に含まれます。
クリテリオム32 永島京子展
会期:12月13日(土)〜1月18日(日)
アーティスト・トーク:1月18日(日)14:00〜
「COMMUNE」 1996年
Gallery QS での展示風景
撮影:大村雄一郎
クリテリオム33 O JUN展
会期:1月24日(土)〜2月22日(日)
アーティスト・トーク:2月22日(日)14:00〜
「第一日(飛行器)」 1997年
クリテリオム34 廣瀬智央展
会期:2月28日(土)〜3月22日(日)
アーティスト・トーク:3月22日(日)14:00〜
「スパイス・ルーム」 1995年
高校生ウィーク
実施期間:1998年1月13日(火)から2月15日(日)まで
毎年恒例の高校生ウィーク。実施期間中は、高校生ならどなたでも、展覧会を無料で何度でもご覧になれます。エントランスホールのチケットカウンターに学生証を提示し、展覧会チケットを受け取ってご入場ください。
ご案内-----鑑賞のための特別入場料金
H.T.P.(ハイティーンパス)=15歳以上20歳未満の方が対象となります。
料金1,000円。
購入日より1年間、現代美術ギャラリーの企画展に何度も入場ができる便利でお得なハイティーンのためのパスです。使用時には年齢が証明できるものをチケットカウンターにご提示ください。
団体割引=20名様以上の団体はお一人様600円でご覧いただけます。
無料入場=中学生以下、65歳以上、心身障害者の方は無料でご覧いただけます。
ウイークエンド・ギャラリー・トーク
会期中毎週土曜、日曜日の14時と15時30分よりcafe168メンバーによるギャラリー・トー
クを行います。
参加ご希望の方はギャラリー入口にお集まりください。参加無料。
Copyright 1997 ART TOWER MITO. All Rights Reserved. Created by TK.
Mail to: webstaff@arttowermito.or.jp